【2026年最新】湾岸タワーマンション全71棟の耐震構造を徹底調査|免震・制震・耐震どれが最強?

2024年1月の能登半島地震(M7.6・最大震度7)では、日本免震構造協会が石川・富山・新潟の免震建物38棟を緊急調査しました。結果は全38棟で免震装置の損傷ゼロ。震度6強を記録した七尾市の恵寿総合病院では、免震棟は医療器具の転倒すらなく手術室も完全無被害だった一方、隣接する耐震棟は設備損傷で使用不能になり、患者130人を免震棟へ移送する事態となりました。

2011年の東日本大震災でもタワーマンションの倒壊はゼロでしたが、構造形式によって室内被害には明確な差が出ています。SUUMOジャーナルの被災タワマン4棟の検証記事では、免震構造の建物はほぼ無被害だったのに対し、耐震構造の2棟では激烈な建物被害が報告されています。

首都直下地震の発生確率が「今後30年以内に70%」と言われる中、湾岸エリアでタワーマンションの購入を検討するなら、建物の耐震構造は絶対に確認すべきポイントです。本記事では、東京湾岸9エリア・全71棟超のタワーマンションの構造を一棟ずつ調査し、エリアごとの傾向と購入時のチェックポイントを解説します。

目次

免震・制震・耐震 — 3つの構造の違い

タワーマンションの地震対策は大きく3種類に分かれます。それぞれの仕組みとメリット・デメリットを整理します。

耐震構造

建物自体の強度(柱・梁・壁)を高めて地震の力を受け止める、最も基本的な構造です。新耐震基準(1981年〜)では「震度6強〜7でも倒壊しない」設計が求められます。コストが最も低い反面、上層階ほど揺れが増幅され、家具転倒や内装損傷のリスクが高くなります。東日本大震災では、都内の耐震タワマンで壁のひび割れやタイル剥落が多数報告されました。

制震構造

建物内部にダンパー(油圧式・鋼材式など)を設置し、地震のエネルギーを吸収して揺れを低減する構造です。東京カンテイの調査によると、50階以上のタワーマンションでは過半数が制震構造を採用しています。耐震構造に比べて揺れを70〜80%程度に抑えられますが、免震ほどの低減効果はありません。ブリリア有明スカイタワーのように低降伏点鋼の制震壁を90箇所に配置するなど、物件ごとに方式が異なります。

免震構造

建物と地盤の間(基礎免震)、または建物の中間階(中間免震)に積層ゴムやダンパーなどの免震装置を設置し、地震の揺れそのものを建物に伝えにくくする構造です。水平方向の揺れを3分の1〜5分の1に低減でき、室内被害が最も少ないのが特徴です。能登半島地震では38棟すべてで装置損傷ゼロという実績があります。一方、建設コストが高く、免震装置の定期点検・交換費用が修繕積立金に上乗せされる点がデメリットです。

免震+制震(ハイブリッド)

近年増えている最新構造で、免震と制震を組み合わせることでさらに高い制振性能を実現します。HARUMI FLAG SKY DUO(50F・2025年)やBAYZ TOWER & GARDEN(清水建設のSwing Seaver工法)がこの方式を採用しています。

構造別比較表

項目 耐震 制震 免震 免震+制震
揺れの低減 なし(そのまま) 70〜80%程度に 1/3〜1/5に 1/5以下に
室内被害 大(上層階で顕著) 最小
建設コスト 最高
維持管理費 低〜中 中〜高(装置点検)
タワマン採用率
(50F以上)
14.3% 過半数 増加傾向 2019年以降急増
能登半島地震
(2024年実績)
38棟中損傷ゼロ

実際の大地震ではどうだったか — 3つの震災ケーススタディ

① 能登半島地震(2024年1月・M7.6・最大震度7)

日本免震構造協会の現地調査(石川10棟・富山7棟・新潟21棟の計38棟)では、すべての免震建物で免震装置に損傷がなく、免震層の最大変位は19.5cm(七尾市・恵寿総合病院)でした。この数値は積層ゴムの出荷試験で経験済みの範囲内であり、健全性が確認されています。

特に恵寿総合病院の事例は象徴的です。免震棟は手術室を含めて完全に無被害で、地震直後も医療機能を継続。一方、隣接する築45年の耐震棟は建物躯体こそ大きな損傷はなかったものの、内部設備の損傷で使用不能となり、患者130人を免震棟に移送しました。免震棟はその後、周辺から産婦人科や透析の患者も受け入れ、地域医療の拠点として機能し続けました。

② 東日本大震災(2011年3月・M9.0・最大震度7)

タワーマンションの倒壊はゼロでしたが、構造形式によって被害は大きく分かれました。SUUMOジャーナルが取材した仙台市内の被災タワマン4棟の比較では、免震構造の棟はほぼ無被害だったのに対し、耐震構造の2棟では壁面のひび割れ、タイル剥落、室内の甚大な家具転倒被害が報告されています。

マンション管理業協会の被災状況報告では、20階建て以上の超高層住宅について構造形式別の被害を集計しており、免震・制震装置を設置した建物は建物本体の被害が明らかに軽微だったことが確認されています。

また、震源から数百km離れた首都圏でも長周期地震動により高層階が大きく揺れ、エレベーターの長期停止が発生。高層階の住民が「高層難民」となる問題が浮き彫りになりました。この問題は構造に関係なく発生するため、在宅避難の備え(水・食料・簡易トイレ)は免震タワーでも必須です。

③ 熊本地震(2016年4月・M7.3・最大震度7)

熊本市内でもタワーマンションの倒壊はゼロ。免震構造の建物では揺れが軽減され被害を受けなかった事例が報告されています。一方、東京消防庁のアンケート調査では、家具の転倒・落下・移動による負傷の割合は他の大規模地震と比べて決して低くなく、高層階の激しい揺れに耐え切れず避難した住民もいたことが記録されています。

東京湾岸9エリア・全71棟 構造一覧

ここからが本記事の核心です。東京湾岸の9エリアに建つタワーマンション全71棟超について、物件名・階数・総戸数・竣工年・構造体・耐震分類を一棟ずつ調査しました。

① 勝どき(中央区)— 8棟・約10,089戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 パークタワー勝どきミッド 45F 570戸 2023 RC 免震
2 パークタワー勝どきサウス 58F 1,665戸 2023 RC 制震
3 勝どきビュータワー 55F 712戸 2010 RC 制震
4 THE TOKYO TOWERS(MID/SEA) 58F 2,794戸 2008 RC 制震
5 ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノ 49F 883戸 2013 RC 制震
6 ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロ 49F 861戸 2016 RC 制震
7 DEUX TOURS(ドゥ・トゥール) 52F 1,450戸 2015 RC 免震
8 アパートメンツタワー勝どき 45F 1,154戸 2024 RC 制震

エリア特徴:勝どきは制震構造が6棟と圧倒的多数。注目すべきは三井不動産のパークタワー勝どきで、ミッド(45F)は免震を採用していますがサウス(58F)は鹿島建設のVDコアフレーム構法による制震構造です。三井不動産は2011年の東日本大震災後、60m超の超高層マンションに原則として免震を採用する方針を策定しましたが、敷地条件や建物計画により制震を選択するケースもあります。

② 月島・佃(中央区)— 12棟・約6,858戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 リバーシティ21 センチュリーパークタワー 54F 756戸 1999 SRC 制震
2 大川端リバーシティ21 イーストタワーズⅡ 40F 326戸 2000 SRC 制震
3 スカイライトタワー 40F 336戸 1993 SRC 耐震
4 ファミール月島グランスイートタワー 32F 244戸 2003 RC 耐震
5 ムーンアイランドタワー 38F 510戸 2002 RC 耐震
6 キャピタルゲートプレイスザ・タワー 53F 702戸 2015 RC 免震
7 MID TOWER GRAND 32F 503戸 2020 RC 制震
8 ピアウエストスクエア 45F 492戸 2003 SRC 制震
9 月島三丁目地区第一種市街地再開発(北棟) 50F 725戸 2026予定 RC 免震
10 シティフロントタワー 31F 298戸 1991 SRC 耐震
11 佃リバーシティ ピアウエスト 26F 254戸 1991 SRC 耐震
12 リバーポイントタワー 40F 712戸 1989 SRC 制震

エリア特徴:月島・佃は1989〜2003年竣工のSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)物件が多く、耐震のみが5棟と湾岸エリアで最も耐震比率が高いエリアです。1990年代前半のスカイライトタワーやシティフロントタワーは免震・制震技術の普及前に建設されています。2015年のキャピタルゲートプレイスと2026年竣工予定の月島三丁目再開発が免震で、新旧の差が最も顕著なエリアです。

③ 晴海(中央区)— 10棟・約9,361戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 HARUMI FLAG SKY DUO(S/N 2棟) 50F 1,455戸 2025 RC 免震+制震
2 HARUMI FLAG(SUN/SEA/PARK/PORT 6棟) 14-18F 4,145戸 2024 RC 免震+制震
3 パークタワー晴海 48F 1,076戸 2019 RC 免震
4 DEUX TOURS(ドゥ・トゥール) 52F 1,450戸 2015 RC 免震
5 ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノ 49F 883戸 2013 RC 制震
6 ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロ 49F 861戸 2016 RC 制震
7 晴海トリトンスクエア 42-44F 約1,100戸 2001 SRC 耐震
8 Brillia ist Tower勝どき 44F 344戸 2016 RC 免震
9 クロノレジデンス 22F 516戸 2013 RC 免震
10 ティアロレジデンス 22F 531戸 2016 RC 免震+制震

エリア特徴:晴海は湾岸エリアで最も免震率が高いエリアです。HARUMI FLAGの大規模開発(選手村跡地・全5,600戸超)がすべて免震+制震のハイブリッドで、エリア全体の平均構造レベルを大きく押し上げています。SKY DUOは50階建ての超高層免制震タワーとして2025年に竣工した最新物件です。唯一の耐震のみの物件は2001年竣工の晴海トリトンスクエアで、SRC造の旧タイプです。

④ 豊洲(江東区)— 10棟・約8,400戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 アーバンドックパークシティ豊洲 タワーA 53F/B1 1,478戸(A・B合計) 2008 RC 制震
2 アーバンドックパークシティ豊洲 タワーB 32F (上記含) 2008 RC 制震
3 THE TOYOSU TOWER 43F/B1 825戸 2009 RC 免震
4 シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン 40F 1,110戸 2009 RC 耐震
5 シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル 44F 850戸 2009 RC 制震
6 豊洲シエルタワー 40F 516戸 2006 RC 耐震
7 パークホームズ豊洲ザレジデンス 22F 693戸 2017 RC 免震
8 SKYZ TOWER & GARDEN 44F 1,110戸 2014 RC 免震
9 ブランズタワー豊洲 48F/B1 1,152戸 2021 RC(一部S) 免震(中間免震)
10 BAYZ TOWER & GARDEN 33F 550戸 2016 RC(一部S) 免震+制震

エリア特徴:豊洲は免震率が高いエリアの一つで、10棟中5棟が免震系(BAYZ含む)です。2014年以降に竣工した物件はすべて免震または免震+制震を採用しています。BAYZ TOWER & GARDENの「Swing Seaver」工法(清水建設)は地下免震層+ハイブリッド制震コアの組み合わせで、通常の免震より揺れをさらに20〜30%低減します。ブランズタワー豊洲は建物中間階に免震装置を設置する「中間免震構造」を採用しています。一方、2006年の豊洲シエルタワーと2009年のシティタワーズ豊洲 ザ・ツインは耐震のみで、埋立地の地盤特性を考慮すると注意が必要です。

⑤ 有明(江東区)— 7棟・約5,607戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 シティタワーズ東京ベイ(W/C/E 3棟) 32-33F 1,539戸 2019-2020 RC 免震
2 ブリリア有明スカイタワー 33F/B1 1,089戸 2010 RC 制震
3 ブリリアマーレ有明 TOWER&GARDEN 33F/B1 1,085戸 2008 RC(一部S) 耐震
4 ブリリア有明シティタワー 33F/B1 600戸 2014 RC 免震
5 シティタワー有明 33F/B1 483戸 2009 RC(一部S) 免震
6 ガレリアグランデ 28F/B1 413戸 2006 RC 耐震
7 オリゾンマーレ 27F/B1 398戸 2004 RC 耐震

エリア特徴:有明は豊洲と対照的に、耐震のみの物件が3棟と多いエリアです。ブリリアマーレ有明(2008年・1,085戸)は33階建てながら免震・制震を採用せず、正方形に近いボイドフレーム構造で建物形状自体の安定性によって耐震性を確保するユニークな設計です。一方、2009年以降の住友不動産2物件(シティタワー有明・シティタワーズ東京ベイ)はいずれも基礎免震。ブリリア有明スカイタワー(2010年)は低降伏点鋼制震壁を90箇所に配置した制震構造で、有明唯一の制震物件です。埋立地特有の液状化リスクはエリア共通の課題で、表層地盤増幅率は1.8前後と高めです。

⑥ 汐留(港区)— 3棟・約2,126戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 東京ツインパークス 47F 1,000戸 2002 SRC 制震
2 ベイクレストタワー 40F 563戸 2005 RC 免震
3 パークコート浜離宮ザタワー 37F/B1 563戸 2019 RC 免震

⑦ 芝浦(港区)— 8棟・約5,680戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 グローバルフロントタワー 34F 883戸 2016 RC 免震
2 キャピタルマークタワー 47F 869戸 2007 RC 免震
3 芝浦アイランド ケープタワー 48F 1,095戸 2006 RC 免震
4 芝浦アイランド グローヴタワー 49F 833戸 2007 RC 免震
5 芝浦アイランド ブルームタワー 33F 425戸 2009 RC 免震+制震
6 芝浦アイランド エアタワー 46F 602戸 2007 RC 制震
7 パークタワー芝浦ベイワード アーバンウイング 24F 325戸 2000 RC 耐震
8 プラウドタワー芝浦 33F 648戸 2024 RC 制震

エリア特徴:芝浦は免震率が非常に高いエリアです。芝浦アイランド4棟のうち3棟が免震(うち1棟はハイブリッド)で、グローバルフロントタワーやキャピタルマークタワーも免震。芝浦アイランドは三井不動産・住友不動産・東京建物の共同開発で、2006〜2009年の比較的早い段階から免震技術を積極導入したエリアです。

⑧ 品川・港南(港区・品川区)— 11棟・約6,561戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 ワールドシティタワーズ(3棟) 42F 2,090戸 2005 RC 制震
2 コスモポリス品川 31F 733戸 2005 RC 制震
3 フェイバリッチタワー品川 31F 189戸 2005 RC 制震
4 シティタワー品川 43F 828戸 2008 RC 免震
5 パークタワー品川ベイワード 36F 560戸 2005 SRC 制震
6 ラクシア品川ポルトチッタ 21F 172戸 2005 RC 耐震
7 ブリリアタワー品川シーサイド 28F 189戸 2006 RC 耐震
8 品川Vタワー 43F 635戸 2003 SRC 制震
9 ブランズタワー芝浦 33F 482戸 2021 RC 免震
10 東京シーサウスブランファーレ 30F 472戸 2008 RC 耐震
11 ザ・レジデンス品川シーサイド 22F 211戸 2009 RC 制震

エリア特徴:品川・港南は2003〜2008年竣工の物件が集中しており、制震が5棟と多数派です。ワールドシティタワーズ(2,090戸)やコスモポリス品川など大規模物件が制震構造を採用した時代で、耐震のみも3棟あります。免震は2008年のシティタワー品川以降で、2019年以降の新しい物件(ブランズタワー芝浦など)では免震が主流になっています。

⑨ お台場(港区)— 1棟・525戸

# 物件名 階数 総戸数 築年 構造体 耐震分類
1 THE TOWERS DAIBA 33F 525戸 1996 SRC 耐震

エリア特徴:お台場には1996年竣工のTHE TOWERS DAIBAのみ。SRC造・耐震構造で、免震・制震技術の普及前の物件です。

全9エリア 構造別集計

エリア 棟数 総戸数 免震 制震 免震+制震 耐震のみ
勝どき 8 約10,089 2 6 0 0
月島・佃 12 約6,858 2 5 0 5
晴海 10 約9,361 4 2 3 1
豊洲 10 約8,400 4 3 1 2
有明 7 約5,607 3 1 0 3
汐留 3 約2,126 2 1 0 0
芝浦 8 約5,680 4 2 1 1
品川・港南 11 約6,561 2 5 0 3
お台場 1 525 0 0 0 1
合計 70 約55,207 23 25 5 16

全70棟のうち、免震系(免震+ハイブリッド含む)は28棟(40%)、制震は25棟(36%)、耐震のみは16棟(23%)です。

年代別・構造別トレンド

湾岸タワーマンションの構造は、竣工年によって明確な傾向があります。

第1期:1989〜1999年(黎明期)

この時代はSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)が主流で、耐震構造が基本でした。リバーシティ21やスカイライトタワー、THE TOWERS DAIBAなどがこの時代の代表です。1995年の阪神淡路大震災以前は免震・制震技術がまだ普及しておらず、建物の強度で地震に対抗するという設計思想でした。1999年のセンチュリーパークタワーが当時としては先進的な制震構造を採用しています。

第2期:2000〜2008年(制震拡大期)

構造体がSRCからRC造に移行し、制震構造が急拡大した時代です。ワールドシティタワーズ、THE TOKYO TOWERS、品川Vタワーなど大規模物件が軒並み制震を採用。芝浦アイランドでは2006年から免震が導入され始めましたが、まだ全体としては制震が主流でした。ブリリアマーレ有明(2008年)のように33階建てでも耐震のみの物件も存在します。

第3期:2009〜2016年(免震主流化)

2011年の東日本大震災が転機となり、免震構造が急速に普及します。三井不動産レジデンシャルが60m超の超高層に原則免震を採用する方針を策定したのもこの時期です。SKYZ TOWER & GARDEN、ブリリア有明シティタワー、DEUX TOURSなど新規物件は免震が標準に。ただし勝どきビュータワーやパークハウス晴海タワーズのように制震を選択する物件もありました。

第4期:2017〜現在(ハイブリッド時代)

免震+制震のハイブリッド構造が急増します。BAYZ TOWER & GARDEN(2016年・Swing Seaver)、HARUMI FLAG全棟(2024〜2025年)、パークコート浜離宮ザタワー(2019年)などが代表例です。ブランズタワー豊洲の「中間免震」やパークタワー勝どきサウスの「VDコアフレーム構法」など、従来の分類に収まらない独自工法も増えています。

購入時に必ず確認すべき6つのポイント

1. パンフレット・重要事項説明書で構造形式を確認

「免震」「制震」「耐震」のどれに該当するかは、販売パンフレットの構造概要欄や重要事項説明書に記載されています。不動産ポータルサイトでは複数の構造が併記されていることがあり(例:「免震・耐震・制震」すべてにチェック)、正確な分類がわからない場合があります。必ず一次情報で確認してください。

2. 構造体(SRC vs RC)と竣工年に注目

1990年代のSRC造は当時の技術では最良でしたが、現在のRC造+免震と比べると耐震性能に差があります。特に1999年以前の耐震のみの物件は、過去の大地震データを踏まえると、室内被害リスクが相対的に高いことを理解しておく必要があります。

3. 免震でもエレベーター停止・断水リスクはある

免震構造であっても、地震管制運転装置によりエレベーターは自動停止します。東日本大震災では復旧に数日〜1週間を要したケースもあり、40階以上に住む場合は階段での移動が現実的かどうかを考慮してください。また、排水管の点検完了まで自宅トイレが使用不能になることもあります。

4. 修繕積立金に免震装置の点検・交換費用が含まれるか

免震装置(積層ゴム)は一般的に60年程度の耐用年数があるとされますが、定期点検(5年ごと目安)と将来的な交換費用は大きな金額です。長期修繕計画にこれらが適切に組み込まれているかを確認してください。制震ダンパーも同様に経年劣化するため、修繕計画への反映が重要です。

5. 液状化リスクと地盤を確認

湾岸エリアはほぼ全域が埋立地であり、液状化リスクが共通の課題です。東京都建設局の「東京の液状化予測図」で敷地の液状化可能性を確認し、地盤改良が施されているかどうかもチェックしてください。表層地盤増幅率が1.8以上のエリアは「地盤が弱い(揺れやすい)」とされ、湾岸エリアの多くがこれに該当します。

6. 在宅避難の備蓄は構造に関係なく必須

倒壊リスクが極めて低いタワーマンションの住民は、原則として在宅避難が求められます。水は1人1日3L×最低3日分(できれば7日分)、簡易トイレ、食料、携帯バッテリーを備蓄してください。ローリングストック方式(日常的に使う食品を多めに備え、消費と補充を繰り返す)が場所を取らず実践的です。管理組合の防災マニュアル整備と住民参加型訓練の実施状況も確認しましょう。

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まとめ

東京湾岸9エリア・全70棟超の調査から見えてきたポイントを整理します。

免震構造は、能登半島地震(38棟全数で装置損傷ゼロ)、東日本大震災(建物ほぼ無被害)、熊本地震と、過去の大地震で一貫して最も高い安全実績を示しています。晴海・芝浦・豊洲は免震率が高く、HARUMI FLAGの大規模開発が晴海エリアの構造レベルを大きく底上げしました。

一方、月島・品川は1990〜2000年代前半の制震・耐震物件が多く、有明は33階建てで耐震のみの物件が3棟あります。これらが「危険」というわけではありませんが、室内被害リスクや将来の修繕コストは相対的に高くなる可能性があります。

ただし、免震=万能ではありません。エレベーター停止、断水、トイレ使用不能は構造に関係なく発生します。建物が壊れないからこそ在宅避難が前提となり、備蓄と管理組合の防災体制が生命線になります。

タワーマンションの購入は数千万円〜億単位の意思決定です。構造形式は資産価値と家族の安全を左右する最重要ファクターの一つ。本記事のデータが、後悔のない物件選びの一助になれば幸いです。

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この記事を書いた人

2015年に新築で晴海のタワーマンションを5,500万円で購入し、2025年に1.4億円で売却(売却益+8,500万円)。現在は都内の中古タワマンに住み替え、資産性の高い物件選びと住宅ローン戦略を実践中。「住みながら資産を増やす」をテーマに、後悔しないタワマン購入術や、管理組合・修繕積立金の実情など、タワマン住人ならではのリアルな情報を発信しています。

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