築地再開発「ONE PARK × ONE TOWN」とは?——9,000億円・19万㎡の全容
2018年に豊洲へ移転した築地市場の跡地(中央区築地5・6丁目、約19万㎡=東京ドーム約4個分)で、東京都史上最大級の再開発が動き出しています。総事業費は約9,000億円。完成すれば、東京の都市構造そのものを塗り替えるインパクトがあります。

築地まちづくり公式ウェブサイトより
事業者と体制——三井不動産を中心とする「オールジャパン」連合
事業予定者は、三井不動産(代表企業)・トヨタ不動産・読売新聞グループ本社の3社。2024年12月に特別目的会社「築地まちづくり株式会社」を設立し、2025年3月に東京都と基本協定を締結しました。設計は日建設計とパシフィックコンサルタンツ、施工はスーパーゼネコン4社(鹿島建設・清水建設・大成建設・竹中工務店)が担当します。協力企業として朝日新聞社とトヨタ自動車も参画しており、文字通り日本を代表する企業連合による国家級プロジェクトです。
9棟の施設構成と規模——5万人スタジアム、最高210mホテル棟、総延床126万㎡
コンセプト名は「ONE PARK × ONE TOWN」。敷地の約4割を緑地化し、隅田川沿いに約10万㎡の緑地広場を設ける「水と緑の都市」です。計9棟の建築物の総延床面積は約126万㎡に上ります。

築地まちづくり公式ウェブサイトより
主な施設は以下の通りです。①マルチスタジアム(約5万人収容、全天候型、スポーツ・コンサート・MICE対応)、②ライフサイエンス・商業複合棟(高さ約190m、ラボ・オフィス・インキュベーション施設)、③MICE・ホテル・レジデンス棟(高さ約210m、国際会議場・高級ホテル・住宅)、④⑤ホテル棟(高さ約150m)、⑥レジデンス棟(高さ約180m)、⑦オフィス・レジデンス棟(高さ約190m)、⑧舟運・シアターホール複合棟(高さ約50m、フードホール・フードラボ・劇場)、⑨オフィス棟(高さ約210m)。かつての築地市場の扇形をデザインモチーフとし、「陸・海・空」の視点から象徴的な景観を創出する計画です。
スケジュール——2026年度着工、2030年代前半「まちびらき」、2038年度全体完了
スケジュールは段階的に進行します。2025年度に先行にぎわい施設の着工、2026年度に基盤整備着工および定期借地権設定契約の締結、2028年度に主要7棟の建築工事着工、2029年度に舟運・シアターホール複合棟が先行開業、2032年度に第1期建築工事完了(まちびらき第1期)、2030年代後半にまちびらき第2期、そして2038年度に全体完了の予定です。つまり、最初の施設が使えるようになるのは約3年後、街全体が完成するのは約12年後ということになります。
(参考:三井不動産プレスリリース(2025年8月22日)、築地まちづくり公式ウェブサイト)
築地に「新築地駅」——臨海地下鉄が変えるアクセス地図
築地再開発のインパクトをさらに増幅させるのが、都心部・臨海地域地下鉄(臨海地下鉄)の計画です。この新路線は、築地再開発と一体的に進められており、周辺マンションの資産価値に決定的な影響を与えると筆者は考えています。
臨海地下鉄7駅ルート——東京駅から有明まで6.1km
臨海地下鉄は、東京駅を起点に新銀座→新築地→勝どき→晴海→豊洲市場→有明・東京ビッグサイトの全7駅(すべて仮称)、総延長約6.1kmの新路線です。運行は東京臨海高速鉄道(りんかい線)が担い、羽田空港方面への乗り入れも計画されています。開業は2040年頃を予定しており、総事業費は約5,000億円。築地再開発(9,000億円)と合わせると、このエリアだけで1.4兆円規模の投資が集中することになります。

東京都都市整備局 都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会 事業計画案より
(詳しくは → 臨海地下鉄の全7駅ルートとマンション価格への影響)
新築地駅の位置——スタジアム北側、晴海線の地下
2026年2月の日経報道によれば、新築地駅はスタジアム北側を通る予定の首都高速晴海線の地下に建設される見込みです。再開発エリアのほぼ中心に位置し、環状2号線(新虎通り)とも近接。スタジアム、商業施設、オフィスすべてに徒歩数分でアクセスできる設計です。
「東京駅直結」がもたらす不動産インパクト
現在、築地エリアから東京駅へのアクセスは、日比谷線で銀座乗り換え→丸ノ内線、または徒歩+タクシーで約15〜20分。臨海地下鉄が開業すれば、新築地駅から東京駅まで乗り換えなし・約5分になります。この「東京駅直結」は、過去の再開発事例(品川駅周辺、渋谷駅周辺など)を見ても、周辺マンション価格を10〜30%押し上げる最強の材料です。

💡 不動産投資のプロに無料相談
築地再開発で注目エリアのマンション購入を検討中の方へ。不動産投資の専門アドバイザーが、物件選び・資金計画・タイミングを個別に相談に乗ってくれます。
▶ トウシェルで無料相談する
![]()
周辺マンション価格はどう動く?——勝どき・晴海・月島への波及効果
築地再開発は「築地だけの話」ではありません。隣接する勝どき・晴海・月島エリアのマンション価格にも、中長期的に大きな影響を与えると考えられます。
過去の再開発事例に学ぶ——「発表→着工→開業」で3段階に上がる
大規模再開発の周辺マンション価格は、典型的には3段階で上昇します。第1波は計画発表・事業者決定時の「期待上昇」、第2波は着工・建設が目に見える段階の「実感上昇」、第3波は開業後に街の利便性が証明される「実力上昇」です。六本木ヒルズ(2003年開業)では、周辺の中古マンション坪単価が計画発表から開業までの約10年間で約1.5倍に上昇しました。豊洲ららぽーと(2006年開業)周辺でも同様の傾向が確認されています。
勝どきエリアの現在の坪単価と上昇余地
2026年現在、勝どきエリアの主要タワーマンションの坪単価は以下の水準です。パークタワー勝どき(2023年竣工)は坪1,000万円台、ドゥ・トゥール(2015年竣工、晴海)は坪800万円台、勝どきビュータワー(2010年竣工)は坪780万円台、ザ・トーキョー・タワーズ(2008年竣工)は坪600万円台です。築地再開発が本格化すれば、「築地徒歩圏」というプレミアムが加わり、特に築地に近い勝どき北側のマンションは恩恵を受けやすいと考えられます。

晴海・月島への波及シナリオ
晴海エリアは臨海地下鉄「晴海駅」の恩恵も加わり、二重の追い風が吹きます。HARUMI FLAGの入居が進み人口が急増する中、築地再開発による商業・文化施設が徒歩・自転車圏内に加わることで、「住む街」から「住んで楽しい街」へのアップグレードが期待できます。月島エリアは築地に最も近い居住エリアであり、再開発エリアまで徒歩10分圏内。臨海地下鉄の新駅は設置されませんが、新築地駅まで1駅で移動可能です。

未来の晴海駅界隈(タワマン編集長作成)
(あわせて読みたい → 臨海地下鉄「晴海駅」の位置を予測する)
🏠 あなたのマンション、今いくら?
築地再開発の恩恵を受けるエリアにお住まいの方へ。AIが最短60秒で現在の査定額を算出します。売却予定がなくても、資産価値の確認として活用できます。
▶ ミライアスで無料AI査定する
![]()
築地再開発のリスクと注意点
ここまでポジティブな面を中心に解説してきましたが、冷静にリスクも把握しておく必要があります。
完成は2030年代後半——「期待先行」で買うリスク
第1期まちびらきが2032年度、全体完了が2038年度。つまり、今マンションを購入しても、築地再開発の恩恵を「実感」できるまでに最低6年、完全体になるまでには12年かかります。この間、景気変動、金利上昇、人口動態の変化など、予測不能なリスクが存在します。「築地再開発があるから必ず上がる」と考えるのは楽観的すぎます。
70年定期借地権という構造——都有地は売却されない
見落とされがちな重要ポイントとして、築地市場跡地は東京都の都有地のままであり、事業者には70年の定期借地権が設定されます。つまり、土地は売却されません。70年後に更地返還される構造であり、建物の用途が固定されるリスクがあります。都市のニーズが変化しても柔軟に対応しづらい——この点はMSNの報道(「70年固定という呪縛」)でも指摘されています。
5万人スタジアム隣接の生活影響
5万人収容のスタジアムは、イベント開催時に周辺に大量の人流をもたらします。コンサートやスポーツイベント後の混雑、騒音、治安の変化は、「住む場所」としての快適性に影響する可能性があります。特に勝どき・月島の築地寄りに住む方は、この点を考慮する必要があります。

築地まちづくり公式ウェブサイトより
筆者の見解——「買い」のタイミングと狙い目エリア
10年以上タワーマンションに住み、中央区湾岸エリアの再開発を見続けてきた筆者の見解です。
短期(〜2028年):着工報道で「第1波」の価格上昇フェーズ
2026年度の基盤整備着工、2028年度の本体着工というニュースが出るたびに、周辺マンション価格は段階的に反応するでしょう。「買うなら着工前の今」が一つの判断ポイントです。ただし、金利動向には注意が必要です。
中期(2028〜2032年):建設中の「踊り場」に注意
大規模工事が進行する期間は、建設車両の往来、粉塵、騒音など、周辺住環境が一時的に悪化します。この時期は価格が横ばいまたは微減する可能性があり、逆に「買い場」になるかもしれません。
長期(2032年〜):まちびらき後の「実力評価」フェーズ
2032年度の第1期まちびらき以降、実際に施設が稼働し始めれば、街の実力が問われます。スタジアムの集客力、商業施設のテナント質、緑地の管理状態——これらが期待通りであれば、周辺マンション価格は「第3波」の上昇に入ります。臨海地下鉄の開業(2040年頃)がさらなるブーストになります。
まとめ
築地市場跡地の再開発「ONE PARK × ONE TOWN」は、総事業費9,000億円、総延床面積126万㎡、5万人収容スタジアムを含む計9棟の超大型プロジェクトです。臨海地下鉄「新築地駅」の新設と合わせると、このエリアへの投資額は1.4兆円規模に達します。
周辺の勝どき・晴海・月島エリアのマンション価格は、中長期的に上昇する可能性が高いと筆者は考えます。ただし、完成まで12年という長い時間軸、70年定期借地権の構造的リスク、スタジアム隣接の生活影響など、冷静に評価すべきポイントもあります。
「築地再開発で必ず上がる」ではなく、「築地再開発という追い風を、自分の購入タイミングとリスク許容度に合わせてどう活かすか」——その視点で検討されることをおすすめします。

築地まちづくり公式ウェブサイトより
(あわせて読みたい → 中央区湾岸の再開発まとめ|勝どき・豊海・月島・晴海・築地の全プロジェクト一覧【2026年】)
🎁 新築マンション購入者限定アンケート(全員に5,000円)
国内で新築マンションを購入された方が対象。簡単なアンケートに回答するだけで、全員にもれなく5,000円分のギフトがもらえます。
▶ SUUMOアンケートに回答する(5,000円ギフト)
![]()

コメント