【高層階住民必読】タワマン防災の備え方|停電・断水で困る7つのこと

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「タワマンって、災害のとき大丈夫なの?」

購入を検討していた頃、義母にそう聞かれた。当時の私は「最新の免震構造だから大丈夫ですよ」と軽く返した。でも今、晴海のタワマンに10年以上住んでみて——2015年に70㎡の部屋で暮らし始め、2025年に同エリアで90㎡の部屋に住み替えた今——あの返答は半分しか正しくなかったと思っている。

確かに、建物は揺れに強い。でも問題は「揺れた後」だ。停電、断水、エレベーターの停止——タワーマンションで起きる災害リスクは、低層住宅とは次元が違う。そしてそれを、購入前に真剣に調べた人は少ない。私もそうだった。

この記事では、高層階に10年以上住んだ実体験と、管理組合の防災委員として学んだ知識をもとに、タワマン特有の防災リスクと、今すぐできる7つの対策を具体的に解説する。購入を検討している方にも、すでに住んでいる方にも、ぜひ読んでほしい。


目次

タワマンの災害リスクは「揺れ」より「揺れた後」にある

能登半島地震(2024年1月)のとき、東京でも震度4〜5弱を観測した地域があった。私のマンションでは、揺れそのものによる被害は軽微だった。しかし翌日、管理組合のLINEグループに流れてきたのは「エレベーターが安全点検で止まっています。復旧まで数時間かかります」というメッセージだった。

私の部屋は27階(現在の90㎡の部屋も同じく高層エリア)。エレベーターなしでは、事実上「孤立」に近い状態だ。

タワーマンションの構造上のリスクは、主に以下の3つに集約される。

  • エレベーターの停止:地震感知で自動停止し、復旧まで数時間〜数日かかる場合も
  • 断水・給水制限:高層階への給水はポンプが必要なため、停電と同時に機能停止する
  • 在宅避難の長期化:建物が安全でも、ライフラインが止まった状態で何日も過ごすことになる

これらのリスクは、実は相互に連動している。停電が起きると給水ポンプが止まり断水が発生する。断水になるとトイレが使えなくなる。エレベーターが止まると物資の調達も下の階への移動もできなくなる。タワマンの高層階は、複数のリスクが同時発生するという点で、低層住宅とは根本的に状況が異なるのだ。

首都直下地震では「72時間ではなく1週間以上」を想定する

内閣府の想定では、首都直下地震(M7クラス)が発生した場合、東京都内で最大約320万人が帰宅困難になるとされている。ライフラインの復旧には、電気で1〜2週間、水道で30日以上かかるケースも想定されている。

「72時間もてばいい」という従来の防災常識は、タワマンの高層階では通用しない。少なくとも1週間、できれば2週間を自力でしのげる備えが必要だ。

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【7つの対策】高層階住民が今すぐ備えるべきこと

1. 水を「72時間分+α」備蓄する(最重要)

タワマンの給水システムは、電動ポンプで地下の受水槽から各階に水を圧送している。停電になると、このポンプが止まる。つまり、停電=断水がセットで発生するリスクがある。

一般的な目安は「1人1日3リットル×3日分=9リットル」だが、タワマンの場合は復旧が遅れる可能性を考慮して、7日分(21リットル)を目標にしたい。ファミリー世帯(大人2人+子供1人)なら最低でも60リットル以上の確保が理想だ。

問題は収納だ。高層階の部屋は、廊下のパントリーに2リットルペットボトルを12本ストックしている。それ以上増やすと動線が詰まるので、ウォーターサーバーの予備タンク(12リットル)との組み合わせで補っている。高層階ほど収納面積が限られるため、「何をどこに置くか」の設計が重要になる。

また、飲料水だけでなく、生活用水(トイレの予備洗浄・拭き掃除用)も別に確保しておくと心強い。風呂の残り湯を常に溜めておく習慣も有効だ。

2. 携帯トイレを最低30回分用意する

断水時にもっとも困るのが、トイレ問題だ。タワマンの排水管は縦方向に長いため、下の階で詰まりが生じると上の階のトイレが使用不能になるケースがある。阪神・淡路大震災でも、高層マンションでの排水系統の問題は多数報告された。

携帯トイレ(凝固剤付き)を備蓄しておくことは、タワマン住民にとって低層住宅以上に重要だ。ファミリー世帯なら最低30回分(大人2人で約5日分)は確保したい。かさばらず、賞味期限も長い(5〜7年)ので、今すぐ購入しておいて損はない。

さらに、マンションによっては「断水中はトイレを流さないでください」という管理組合からの通達が出ることがある。そうした状況になったとき、携帯トイレがあるのとないのとでは、精神的な余裕が大きく変わる。

3. ポータブル電源を1台置く

停電時、タワマンで「使えなくなるもの」は思った以上に多い。

  • IHクッキングヒーター(電気系の設備はすべて停止)
  • エアコン・床暖房
  • 自動ドア・電子錠(バッテリーで一定時間は動くが限界がある)
  • スマートフォンの充電
  • 照明(非常灯は共用部のみ)

容量300Wh以上のポータブル電源があれば、スマートフォンを数十回充電できるほか、小型の電気ケトルや卓上IHコンロ(低ワット設定)も動かせる。ソーラーパネルと組み合わせると、翌日以降も継続して使える。

寝室のクローゼット横に700Whクラスのポータブル電源を常設している。地震のたびに「買っておいてよかった」と思う。価格は6〜10万円程度だが、タワマンという環境では最も費用対効果の高い防災投資のひとつだと感じている。

4. カセットコンロと燃料を備蓄する

IHが止まると、調理手段がなくなる。ガスコンロがある低層住宅と違い、オール電化が標準のタワマンでは、停電=調理不可になりやすい。

カセットコンロ(ガスボンベ10本〜)を備えておくだけで、お湯を沸かし、温かい食事をつくれる。これが精神的に大きい。被災時のストレス軽減に、温かい食べ物は想像以上に効く。

なお、タワマンは気密性が高いため、室内でカセットコンロを使う際は必ず換気を行うこと。ベランダに出て使える設計かどうか、事前に確認しておこう。また、カセットボンベは高温になると爆発の危険があるため、直射日光の当たらない涼しい場所に保管することも忘れずに。

5. エレベーター停止に備えた「階段訓練」をする

地震後、エレベーターは安全確認が完了するまで動かない。マンションの規模や管理会社の体制によって異なるが、復旧まで数時間〜最長で数日かかった事例もある。

高層階住民は、「階段での避難」を現実的な選択肢として考えておく必要がある。27階から1階まで、荷物なしで徒歩約15〜20分。体力的に余裕のある人でも、非常用の荷物(リュック10kg程度)を背負うとかなりきつい。

年に2〜3回、意識的に階段を使って上り下りするようにしている。「訓練」というより「確認」に近いが、いざというときのシミュレーションにはなる。小さい子供がいる家庭は、抱っこや手をつないで下りる練習も大切だ。

また、階段に非常灯がない区間がないか、非常口の鍵はどこにあるか、防火扉の操作方法——これらを平時に確認しておくだけで、いざというときの行動速度がまったく変わる。

6. ラジオと予備バッテリーで情報収集手段を確保する

停電時、スマートフォンは最強の情報ツールだが、バッテリーが切れれば終わりだ。携帯電話の基地局も長時間の停電では機能を失う可能性がある。

単3電池で動く手回し・ソーラー充電式のラジオは、1台2,000〜5,000円で買える。場所もとらない。タワマンの上層階は電波の受信状況が良いことも多く、ラジオとの相性は悪くない。

また、管理組合や自治体からの情報は、紙の掲示板やインターホン放送でも流される。マンションの防災情報の伝達方法を、平時のうちに確認しておくこと。停電中に「マンションの共用部の状況がまったくわからない」という事態を避けるためにも、管理組合との連絡手段(非電源系の手段も含め)を把握しておこう。

7. 管理組合の防災委員会に顔を出す

これは物や設備の話ではないが、最も重要な対策かもしれない。

タワマンの在宅避難は、建物単位での「共助」が命綱になる。管理組合が防災倉庫に備蓄している物資の内容、非常用発電機の稼働時間、AEDの場所、避難経路の確認——これらは、管理組合に関わっていないと知る機会がない。

防災委員を引き受けたのは購入から5年後、2020年のコロナ禍がきっかけだった。「大規模なライフライン停止が起きたとき、うちのマンションはどう動くのか」を知りたくなったからだ。委員になって初めて、非常用発電機が共用部の照明と給水ポンプにしか対応していない事実を知った。エレベーターは動かない。そのことを多くの住民が知らないまま暮らしていた。

防災委員会は年2〜3回の会合が多く、負担は軽い。参加するだけでマンション全体の防災力への理解が深まる。関心のある方は、次の総会で手を挙げてみてほしい。


季節・状況別に変わるリスク:夏と冬では対策が違う

防災の備えは「オールシーズン共通」ではない。タワマンの高層階では、季節によってリスクの質がまったく変わる。

夏の停電:熱中症リスクが命取りになる

真夏の停電でエアコンが使えなくなると、高層階は特に危険だ。外気温35度超の環境で、日射を受けるコンクリートの建物内は室温が40度近くに達することもある。高齢者や小さな子供のいる家庭では、熱中症が直接命に関わる。

夏場の備えとして追加したいのは、電池式の携帯扇風機(もしくはポータブル電源対応のファン)、経口補水液の備蓄、そして「どの共用スペースに涼める場所があるか」の事前確認だ。管理組合によっては、停電時にエントランスロビーや駐車場の涼しいエリアを開放する取り決めをしているところもある。

冬の停電:暖房なしでの低体温症リスク

逆に冬は、暖房が止まると低体温症のリスクがある。タワマンは気密性が高いため、ある程度の断熱効果はあるが、それでも深夜の室温低下は深刻だ。

冬の備えとして有効なのは、寝袋(-5度対応クラス)、カセットガスヒーター(換気必須)、使い捨てカイロの大量備蓄だ。とくに寝袋は、地震で就寝中に停電した場合に即座に役立つ。

「備えるコスト」vs「備えないリスク」:費用対効果で考える

今回紹介した7つの対策を一通りそろえると、費用はおおよそ以下のとおりだ。

対策 概算費用
水の備蓄(7日分) 約3,000〜5,000円
携帯トイレ(30回分) 約3,000〜5,000円
ポータブル電源(700Wh) 約60,000〜100,000円
カセットコンロ+ボンベ10本 約4,000〜6,000円
手回しラジオ 約2,000〜5,000円
寝袋(冬用) 約5,000〜15,000円

合計で、最低でも7〜8万円程度。ポータブル電源をどのクラスにするかで大きく変わる。

5,000万〜1億円を超える物件に住んでいて、7〜8万円の防災投資を「高い」と感じる人はほとんどいないはずだ。問題は「まだいいか」と後回しにしてしまうことだ。災害は、準備が整った人を待ってくれない。

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タワマン防災のよくある疑問(FAQ)

Q. 免震・制震構造なら安全では?

A. 揺れに対しての構造的な強さは確かだ。ただし、免震・制震は「建物が壊れにくい」ための技術であり、「停電しない」「断水しない」を保証するものではない。ライフラインの停止リスクは、構造の優劣とは別の問題として対策が必要だ。

Q. マンションの非常用発電機でエレベーターは動く?

A. 多くのタワマンの非常用発電機は、共用部の照明・給水ポンプ・防災設備向けに設計されており、エレベーターは対象外のケースが多い。自分のマンションの非常用電源の仕様は、管理組合または管理会社に確認しておくことを強く勧める。

Q. 在宅避難と避難所、どちらが正解?

A. 建物が安全な場合、タワマンでは「在宅避難」が基本方針となることが多い。避難所は地域の低層住宅被災者向けの収容を優先するため、タワマン住民が押し寄せると混雑が生じる。マンションの防災計画に「在宅避難推奨」の記載があるかどうかを確認しておこう。

Q. ペットがいる場合の追加備えは?

A. ペットのフード・水・トイレ用品は最低1週間分確保しておきたい。避難所はペット不可のところがほとんどのため、在宅避難期間中のペットのケアも計画に含める必要がある。


まとめ:タワマンの防災は「高層階仕様」で考える

タワーマンションは、構造上の強さと引き換えに、「停電・断水・エレベーター停止」という高層階特有のリスクを抱えている。低層住宅と同じ発想で防災グッズをそろえるだけでは、いざというときに対応できないケースがある。

今回紹介した7つの対策を改めて整理すると:

  1. 水を7日分備蓄する
  2. 携帯トイレを30回分用意する
  3. ポータブル電源を1台置く
  4. カセットコンロと燃料を確保する
  5. 階段避難のシミュレーションをしておく
  6. ラジオと予備バッテリーで情報収集手段を確保する
  7. 管理組合の防災委員会に参加する

このリストを見て「ひとつもできていない」という方は、まず水の備蓄と携帯トイレだけでも今週中に用意してほしい。費用は1万円以下で、命に直結する備えができる。

タワマンを買うことは、快適な暮らしへの投資だ。でも、その快適さを守るための防災投資も、同じくらい大切だと私は思っている。晴海で10年以上暮らして、この確信はますます強くなっている。

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この記事を書いた人

2015年に新築で晴海のタワーマンションを5,500万円で購入し、2025年に1.4億円で売却(売却益+8,500万円)。現在は都内の中古タワマンに住み替え、資産性の高い物件選びと住宅ローン戦略を実践中。「住みながら資産を増やす」をテーマに、後悔しないタワマン購入術や、管理組合・修繕積立金の実情など、タワマン住人ならではのリアルな情報を発信しています。

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