タワマン70㎡と90㎡、両方住んで分かった5つの差|間取り選びの正解

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「70㎡で十分かな、でも90㎡が気になる」——タワマンの間取り選びで、多くの購入検討者がこの迷いを抱えます。カタログや内覧だけでは絶対に分からないことが、実際に住んでみると次々と見えてきます。

私は2015年に晴海のタワーマンションで70㎡・2LDKを購入し、10年間暮らしました。そして2025年、同じマンション内の90㎡・3LDKへ住み替えました。広さが20㎡増えるだけで、日常生活はどれほど変わるのか——両方に実際に住んだからこそ語れる「5つの差」を、今回は正直にお伝えします。

間取り選びは、住宅ローンの額にも直結する、購入で最も重要な決断のひとつです。ぜひ最後まで読んでいただき、後悔のない選択の参考にしてください。

目次

そもそも70㎡と90㎡では何が違うのか

数字で見るスペースの差

20㎡という差を「畳に換算すると約12畳分」と言われても、なかなかピンとこないかもしれません。しかし実際の生活空間に落とし込むと、この差は相当に大きい。

一般的なタワーマンションにおける70㎡と90㎡の間取りの違いをまとめると、おおむね以下のようになります。

  • 70㎡クラス(2LDK):LDK約18〜20畳 + 洋室2部屋(6畳+5畳程度)
  • 90㎡クラス(3LDK):LDK約20〜23畳 + 洋室3部屋(7畳+6畳+5畳程度)

部屋数が1つ増えるだけでなく、LDK自体も広くなり、廊下や収納のゆとりも変わります。カタログ上の数字の差より、体感的な「住みやすさの差」ははるかに大きいのが実感です。

価格差はどれくらいか

2025年時点の晴海エリアのタワーマンション相場を参考にすると、同一棟・同一階層であれば70㎡と90㎡の価格差はおおむね3,000万〜5,000万円程度になります。月々の住宅ローン返済額に換算すると、金利1.5%・35年返済で毎月9万〜15万円の差です。

この差をどう捉えるか——「月15万円の差なら90㎡に住み替えて正解だった」と今の私は感じていますが、2015年当時の私には到底手が届かない金額でした。ライフステージと収入の変化が、間取り選びの正解を変えるということも、最初にお伝えしておきたい事実です。

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両方に住んで分かった「5つの差」

差①:来客・在宅ワークへの対応力

70㎡時代、在宅ワークが本格化した2020〜2021年に最も困ったのが「仕事部屋の確保」でした。2LDKの場合、主寝室とリビングしか選択肢がなく、オンライン会議中に配偶者や子どもの声が入り込む問題が慢性化しました。

90㎡・3LDKになると、主寝室・子ども部屋・書斎(ワークスペース)という使い分けが自然にできます。「3部屋目」の存在が、生活の質を根本から変えました。来客時にゲストルームとして使えるという柔軟性も加わり、家の使い勝手がまるで違います。

在宅ワーク・ハイブリッドワークが標準になった今の時代、個室数は間取り選びの最重要指標のひとつになっています。

差②:収納量と「見えない生活感」

タワマンを内覧するとき、多くの方は眺望やLDKの広さばかりに目が行きがちです。しかし10年間暮らした実感として、収納量こそが日常の快適度を左右する最大要因だと断言できます。

70㎡の部屋では、ウォークインクローゼットは主寝室に1つ、廊下に小さな収納棚があるだけでした。布団、季節家電、スーツケース、子どもの学用品——これらを収める場所が常に不足し、リビングの一角が「モノ置き場」になることが避けられませんでした。

90㎡に移ると、収納スペースが体感で1.5倍以上に増えました。各部屋にクローゼットが設けられ、廊下収納も大型化。結果として、リビングから余分なモノが消え、「モデルルームに近い状態」を日常的に維持できるようになりました。

タワマンの高級感は眺望だけでなく、「整然とした生活空間」から生まれます。収納量はその根幹です。

差③:LDKの使い方の自由度

70㎡のLDK(約18畳)では、ダイニングテーブル6人掛け+ソファ+テレビボードを置くと、それだけでほぼ空間が埋まりました。子どもが生まれてからはプレイマットやおもちゃが加わり、「広いはずのリビング」が慢性的な圧迫感に包まれていました。

90㎡のLDK(約22畳)に移ると、同じ家具を置いてもゆとりが生まれ、さらにキッズスペースやホームシアタースペースを設けることができました。特に感じたのは「動線の余裕」です。ソファとダイニングの間を人が行き来するとき、70㎡では自然と体が縮まっていましたが、90㎡ではそれがなくなりました。小さなことですが、積み重なると日常のストレスに大きく影響します。

差④:騒音・プライバシーへの耐性

タワマンは鉄筋コンクリート造のため、一般的に壁は厚く、隣室や上下階からの音は木造アパートより遥かに少ない——というのが一般論です。しかし実際に生活すると、家族内での音の干渉が問題になります。

70㎡・2LDKでは、子どもが寝た後に夫婦がリビングでテレビを見ると、音が漏れないか気を遣います。逆に子どもが寝室で激しく動くと、その振動がリビングまで伝わることも。2部屋では生活時間帯の「棲み分け」が難しく、家族全員が常に互いを意識せざるを得ない状況になりがちです。

90㎡・3LDKになると、物理的な距離が生まれます。主寝室と子ども部屋の間にバッファとなるスペースが入ることで、生活音の干渉が劇的に減りました。家族のプライバシーと共存——その両立に、部屋数と㎡数は想像以上に重要な役割を果たします。

差⑤:資産価値の変動幅

これは住む前には気づかなかった視点ですが、間取りの差は将来の売却時の値動きにも影響します。

2LDKは購入しやすい価格帯のため購入者層が広く、流動性(売りやすさ)は高い。一方で、エリアの人気が高まると3LDKの希少性プレミアムが乗り、価格上昇率が2LDKを上回るケースがあります。晴海エリアでは、2015年〜2025年の10年間で2LDKの値上がり率が約130〜140%だったのに対し、3LDKは約150〜160%に達した物件もありました(マンションレビュー等のデータ参照)。

投資目線で言えば「同一棟・同一階層なら広い部屋のほうがリターンが高い」という傾向は、少なくとも都心タワマンでは一定程度成立しています。もちろん物件・エリア・タイミングによって異なるため、あくまで参考として捉えてください。

家族構成別・間取りの選び方ガイド

単身・DINKSなら70㎡・2LDKが現実的

夫婦2人、もしくは単身でタワマンに住む場合、70㎡・2LDKは十分すぎるほどのスペースです。寝室とワークスペースを分けられ、来客時にも対応できます。価格を抑えてローンの返済負担を下げ、そのぶん繰り上げ返済に回す——という戦略も賢い選択です。

ただし「将来子どもが生まれる可能性がある」「在宅ワークが今後も続く」という場合は、最初から90㎡を選ぶか、住み替えを前提とした資金計画を立てておくことをおすすめします。住み替えには仲介手数料・引越し費用・登記費用などで数百万円のコストがかかるため、住み替え回数を減らすほうがトータルでは有利になるケースが多いです。

子どもが1人いる・予定ありなら90㎡・3LDKが理想

子どもが1人以上いる家庭、または子どもを予定している家庭には、90㎡・3LDKを強くおすすめします。特に重要なのは「子どもが小学校に入るまでに部屋が足りなくなるリスク」を最初から排除できること。

子どもが生まれてから「やっぱり広い部屋にしたい」と思っても、新生児を抱えた状態での引越しは想像以上に大変です。私自身、70㎡時代に2人目を考えたとき、「もう少し広い部屋に移りたい」という気持ちが強くありました。最終的に子どもが小学生になるタイミングで住み替えを決断しましたが、もし最初から90㎡を買っていたら、そのコストと手間は不要だったと感じています。

子どもが2人以上なら100㎡超も視野に

子どもが2人以上いる、または検討しているなら、90㎡でも将来的に手狭になる可能性があります。子ども部屋を2部屋確保しようとすると、主寝室を小さくするか、LDKを犠牲にする必要が出てくるからです。

100㎡超の4LDKになると選択肢は一気に絞られますが、都心タワマンの広い部屋は資産価値の観点でも強い。予算が許すなら、最初から広さに余裕を持たせた間取りを選ぶ判断は合理的です。

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タワマン特有の間取り選びの注意点

眺望と採光は「向き」で決まる

タワマンの間取り選びは、㎡数・部屋数だけでなく「向き」と深く連動しています。同じ70㎡でも、南向きと北向きでは日当たり・眺望・夏の暑さが大きく異なります。

私が2015年に購入したのは晴海の湾岸向き(東〜南東)の部屋でした。朝日が入り、日中は柔らかな光が差し込み、夜はレインボーブリッジや東京湾の夜景が楽しめる——この眺望は今も飽きません。2025年に移った90㎡も同じ湾岸向きを選んだのは、この10年の体験があったからです。

間取りの広さを選ぶとき、同時に「どの向きの部屋か」も必ずセットで確認してください。北向き・内廊下側の部屋は眺望と採光が劣る分、同じ㎡数でも価格が安い傾向がありますが、日常の快適度には直結します。

角部屋か中住戸か

同じ3LDKでも、角部屋と中住戸では生活感がまるで違います。

角部屋は2方向以上に窓があり、採光・通風・眺望の全てで中住戸より優れています。ただし、角部屋は外壁に面する部分が多いため、夏は暑く冬は寒い——という断熱面での弱さが出るケースがあります。高性能なペアガラスや断熱材が採用されていれば問題ないですが、築年数が古い物件では要注意です。

中住戸は採光・眺望では角部屋に劣りますが、外気の影響を受けにくく、光熱費が安定しやすい。また、隣室と壁を共有する構造上、生活音が入り込むリスクは角部屋より高いですが、タワマンの厚いコンクリート壁ではほとんど気にならないレベルです。

エレベーターホールからの距離

これは内覧では気づきにくい盲点です。タワマンはエレベーターの台数が限られているため、高層階では待ち時間が発生します。さらに、自分の部屋がエレベーターホールから遠い端部屋だと、毎日の玄関〜エレベーターまでの廊下の移動が積み重なります。

特に小さな子どもや重い買い物袋を持っているとき、この距離は意外なストレスになります。内覧時には必ず「エレベーターから部屋まで何秒かかるか」を実際に歩いて確認することをおすすめします。

間取り選びで後悔しないための10のチェックリスト

購入前に必ず確認しておきたい項目をまとめました。内覧時のメモに活用してください。

  1. 現在・将来の家族人数に対して部屋数は足りているか
  2. 在宅ワーク・趣味スペースとして使える個室が確保できるか
  3. 収納の合計量(ウォークインクローゼット・各部屋クローゼット・廊下収納)は十分か
  4. LDKの向きと日当たり・眺望は満足できるか
  5. 角部屋か中住戸か、それぞれのメリット・デメリットを把握しているか
  6. エレベーターまでの距離を実際に歩いて確認したか
  7. バルコニーの広さは洗濯物・アウトドア用途として十分か(タワマンは風が強いため洗濯物干しに制限がある場合も)
  8. キッチンのレイアウト(対面式か壁付きか)は生活スタイルに合っているか
  9. 玄関の広さはベビーカー・自転車・スポーツ用品の収納に対応できるか
  10. 将来の売却しやすさ(間取りの汎用性・市場での需要)を意識しているか

10項目すべてを「YES」にできる物件が理想ですが、現実には予算との兼ね合いでトレードオフが生じます。どの項目を優先するかを夫婦・家族間で事前にすり合わせておくことが、後悔しない間取り選びの出発点です。

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住み替えを前提とするなら、資金計画を先に立てよ

「今は70㎡で十分。子どもが生まれたら住み替えればいい」——この考え方自体は間違いではありません。ただし、住み替えには必ずコストが発生することを忘れてはいけません。

私が2015年に70㎡を購入し、2025年に90㎡へ住み替えたときにかかった費用(概算)は以下の通りです。

  • 売却時の仲介手数料:約130万円(売値4,500万×3%+6万)
  • 購入時の仲介手数料:約55万円(買値1.8億×3%+6万の上限)※同一マンション内のため減額交渉あり
  • 登記費用・司法書士報酬:約40万円
  • 引越し費用:約25万円(同一棟内のため通常より安価)
  • 住宅ローン関連費用:約20万円
  • 合計:約270万円

同一棟内の住み替えでこの費用です。別の物件への住み替えなら、仲介手数料がさらに増えるケースもあります。「住み替えればいい」は正しいですが、その前提に「約300万円前後のコストがかかる」という現実を組み込んだ上で、最初の購入の広さを決めることをおすすめします。

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まとめ:私が出す「間取り選びの正解」

70㎡と90㎡、どちらが正解か——10年で両方に住んだ私の結論は、「ライフステージが変わることを前提にするなら、最初から90㎡を選ぶほうが合理的」です。

ただし、これは予算が許す場合に限ります。無理なローンを組んで90㎡を買い、毎月の返済に追われる生活より、余裕を持って70㎡に住みながら繰り上げ返済を進めるほうが豊かな生活を送れるのも事実。

大切なのは「今の自分に必要な広さ」ではなく、「5〜10年後の生活に必要な広さ」を想像することです。タワマンは一度買えば長く住む資産。内覧のワクワクに流されず、冷静に家族の将来像と予算の現実を照らし合わせて、判断してください。

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この記事を書いた人

2015年に新築で晴海のタワーマンションを5,500万円で購入し、2025年に1.4億円で売却(売却益+8,500万円)。現在は都内の中古タワマンに住み替え、資産性の高い物件選びと住宅ローン戦略を実践中。「住みながら資産を増やす」をテーマに、後悔しないタワマン購入術や、管理組合・修繕積立金の実情など、タワマン住人ならではのリアルな情報を発信しています。

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