【住宅ローン】2015年に「35年固定(0.8%)」を選んだ私の結末。損か得か?

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「住宅ローンは変動金利一択」
「固定金利なんて情弱が選ぶもの」

SNSやブログでは、そんな言葉をよく目にします。確かに、シミュレーション上の数字を見れば、変動金利の方が総返済額は少なくなるケースが大半です。

しかし、私は2015年に5,000万円のローンを組む際、迷わず「35年固定金利」を選びました。銀行は三菱UFJ銀行。金利は約0.8%

今考えれば「最強の固定金利」と言えるかもしれませんが、当時は変動金利なら0.5%台も出ていた時代。「わざわざ高い金利を払うなんて」と言われたこともあります。

結果的に、私は損をしたのか、得をしたのか?
10年間返済し続けた今だから分かる、「数字には表れないメリット」についてお話しします。

目次

なぜ「変動」ではなく「固定」を選んだのか?

当時の私は、金融のプロでもなければ、相場を読む力もありませんでした。選んだ理由は、たった一つ。

「なんとなく、怖いから」

これだけです。5,000万円という、人生で見たこともない借金を背負う恐怖。「もし金利が上がって、払えなくなったらどうしよう?」その不安を消すためのコストとして、変動との金利差(約0.3%)を受け入れました。論理的な計算ではなく、純粋な「防衛本能」での選択でした。

2015年当時のローン金利はどんな状況だったか

2015年当時の住宅ローン金利を振り返ると、おおよそ以下のような水準でした。

ローン種類 2015年当時の金利(目安)
変動金利(メガバンク) 0.5〜0.7%
10年固定金利 1.0〜1.5%
フラット35(35年固定) 1.3〜1.6%
私が選んだ銀行の35年固定 約0.8%

当時の三菱UFJは、特定の条件下でかなり優遇された固定金利を提示していました。「0.8%の35年固定」は、今振り返っても異例の低さです。フラット35の相場より大幅に低く、変動との差もわずか0.2〜0.3%。この水準の低さが最終的な決め手になりました。

結果論:金銭的には「損」をした

正直に数字の話をしましょう。この約10年間、日本の住宅ローン金利(変動)は上がりませんでした。むしろ下がり続け、0.3〜0.4%台が当たり前になりました。

もし変動を選んでいたら?ざっくり試算

元本5,000万円、35年返済で比較した場合の概算です。

項目 35年固定(0.8%) 変動(平均0.4%と仮定)
月々返済額(概算) 約136,000円 約127,000円
月々の差額 約9,000円安い
10年間の差額累計 約108万円
総返済額(35年・概算) 約5,710万円 約5,330万円

※上記はあくまで概算です。変動金利が一定で推移したと仮定した場合のシミュレーションであり、実際の返済額は金利の動向によって異なります。

つまり、「金銭的な損得」だけで見れば、私は負けました。変動金利を選んだ人が、この10年間は正解だったのです。差額は総額で300〜400万円規模になります。

しかし、「安心感」は何物にも代えがたかった

では、私が固定金利を選んだことを後悔しているか?答えは「NO」です。むしろ、心から良かったと思っています。

その理由は、「金利ニュースに一喜一憂しなくて済んだ」からです。

この10年の間にも、「長期金利が上昇」「日銀が政策変更か?」といったニュースは何度もありました。そのたびに、変動金利を選んだ知人たちは「来月から上がるかな?」「借り換えるべきかな?」と不安な顔をしていました。

しかし、私は無風です。世の中がどうなろうと、35年間、私の返済額は1円たりとも変わらない。この「確定した未来」を持っていることの精神的余裕は、計り知れない価値がありました。

「心理的安心」をお金に換算すると?

月々9,000円×12ヶ月×10年=約108万円が、固定を選んだことによる金銭的コストです。では、この108万円で私は何を買ったのか。

  • 10年間、ローン金利の動向を気にしない精神的自由
  • 「払えなくなるかもしれない」という夜中の不安からの解放
  • 家族との会話から「ローンの心配」を消せたこと
  • 仕事・子育て・趣味に集中できる余裕

108万円で10年間の「確かな安心」が買えたなら、私には十分な対価でした。それが、今も後悔していない理由です。

2024年以降の金利上昇局面:固定派として思うこと

2024年から日本銀行が利上げに踏み切り、変動金利ローンの利用者の間に不安が広がっています。長らく「固定金利を選んだのは損だった」と言い続けていた知人たちも、最近は「やっぱり固定でよかったかもな…」とつぶやくようになりました。

2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策を解除し、同年7月には追加利上げを実施して政策金利は0.25%に引き上げられました。その後も段階的な利上げ観測が続いており、変動金利に連動する短期プライムレートも上昇。メガバンクの変動型住宅ローン金利は、一時的に0.3%台から0.6%台へと切り上がりました。

変動金利ユーザーへの影響はどのくらい?

仮に変動金利が0.4%から上昇した場合(元本5,000万円、残り25年と仮定)の月々返済額の変化です。

金利 月々返済額(概算) 差額
0.4%(従来) 約185,000円
0.8%(+0.4%) 約195,000円 +10,000円/月
1.0%(+0.6%) 約200,000円 +15,000円/月
1.5%(+1.1%) 約216,000円 +31,000円/月

※あくまでシミュレーション例です。実際の返済額は契約条件によって異なります。

0.5%の上昇でも月1万円以上の負担増。年間12万円、10年で120万円です。家計への影響は決して小さくありません。もちろん今後の金利がどうなるかは誰にも分かりませんが、2024年の金利上昇局面で、「安心感」を購入した費用対効果は確実に高まっていると感じています。

固定か変動か、結局どう考えればいい?

10年間を振り返って出した私の結論は、「正解は人によって違う」です。

変動金利が向いている人

  • 金融リテラシーが高く、金利動向を常にウォッチできる
  • 金利が上がった際に繰り上げ返済できる余裕資金がある
  • 借り換えの手間をいとわない行動力がある
  • 数字でリスクを把握し、感情的にならずに対処できる

固定金利が向いている人

  • 金利変動に一喜一憂したくない、精神的安定を重視する
  • 共働き・育児・仕事で忙しく、ローン管理に時間を割けない
  • 返済計画を確定させ、家計の予算管理をシンプルにしたい
  • 「最悪のケース」を想定して動くリスク回避型の性格

「みんなが変動を選んでいるから」という理由だけで変動を選ぶのは最も危険です。数十年間にわたる大きな決断は、自分の性格・資産状況・ライフプランに合わせて、自分で考えて決めるべきです。

よくある質問(FAQ)

Q. 今から固定金利への借り換えは検討すべきですか?

A. 借り換えには諸費用(保証料・事務手数料・登記費用など)がかかるため、残債や金利差によっては割に合わないケースもあります。一般的に「残債が1,000万円以上」「金利差が1%以上」「返済期間が10年以上残っている」場合に検討の余地があると言われますが、必ず金融機関や住宅ローンアドバイザーに相談することをお勧めします。

Q. フラット35と銀行の固定金利はどう違うのですか?

A. フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した長期固定金利ローンです。毎月公表される基準金利に連動します。一方、銀行独自の固定金利商品は各行が独自に設定し、信用力や取引実績によって優遇金利が適用される場合があります。私が選んだ0.8%の35年固定は後者のケースで、フラット35の当時の水準より大幅に有利な条件でした。

Q. 変動金利の「5年ルール・125%ルール」とは何ですか?

A. 多くの変動金利ローンには、「金利が上昇しても5年間は返済額を変えない」「6年目以降も返済額の増加は従前の125%まで」というルールがあります。一見安心に見えますが、返済額が変わらないだけで未払い利息が発生し、元本がなかなか減らない状態になるリスクがあります。正しく理解した上で選択することが重要です。

SNSの「正解」を鵜呑みにするな

YouTubeやX(旧Twitter)を見れば、「変動一択!」「固定は損!」といった言葉が飛び交っています。インフルエンサーたちは、再生数を稼ぐために分かりやすくて極端なポジショントークをします。

でも、彼らはあなたの人生に1ミリも責任を持ってくれません。もし金利が暴騰して、あなたがローン破綻しても、誰も助けてくれません。

「有名なあの人が言っていたから」「みんなが変動を選んでいるから」——そんな理由で数千万円の借金をするのは、あまりにも無責任です。自分の人生、そして何より大切な家族の人生がかかっているんです。

徹底的に調べて、シミュレーションして、自分で悩み抜いてください。「これなら大丈夫だ」と自分で腹落ちした結論なら、それが変動であれ固定であれ、絶対に後悔はしません。私が固定金利で金銭的に損をしても後悔していないのは、自分で決めたことだからです。

まとめ:「損か得か」より「眠れるか眠れないか」

10年前の私の選択を振り返って、一つだけ言えることがあります。

住宅ローンの「正解」は、返済が終わった時にしか分かりません。35年間の金利動向を、今の誰も予測できないのです。

ならば大切なのは「最善の正解を選ぶこと」ではなく、「どちらを選んでも後悔しない覚悟を持つこと」ではないでしょうか。

私は0.8%の35年固定を選び、金銭的には負けたかもしれません。でも、10年間ぐっすり眠れました。家族との時間に、ローン金利の心配を持ち込まずに済みました。それは、数百万円を払っても買いたかった「安心」でした。

「損か得か」ではなく、「自分が眠れる選択か、眠れない選択か」。それが、私がたどり着いた住宅ローン選びの本質です。

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この記事を書いた人

2015年に新築で晴海のタワーマンションを5,500万円で購入し、2025年に1.4億円で売却(売却益+8,500万円)。現在は都内の中古タワマンに住み替え、資産性の高い物件選びと住宅ローン戦略を実践中。「住みながら資産を増やす」をテーマに、後悔しないタワマン購入術や、管理組合・修繕積立金の実情など、タワマン住人ならではのリアルな情報を発信しています。

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